気が付いたときには朝を迎えていた。
顔に当たる窓の光をよけるように眠たい目をこすりながらゆっくり目を開ける。
「寝ちまったのか」
レイは裸のままグチャグチャのベッドの上に横たわっていた。寝たと言うよりは気を失ったのかもしれない。
ふと自分のペニスが、と言うより尿道が少しムズかゆい感じがしてレイは昨日のことを思い出した。
「そうだ、チンポ!」
急いで股間を確認する。
残念ながらレイの大切なモノはそこにはなかった。
大きくため息をついたレイだったが、同時に寸止めが止まっていることにも気が付いて少しホッとした。
「どうするよ?」
そう呟きながら気怠そうにリビングに向かい朝食の準備を始めた。
ペニスのムズかゆさは残っているが、珈琲を飲むと少し頭はスッキリした感じがする。
今日は休みなのでゆっくりすることができる。
「そうだ! ネットで調べてみるか」
同じ目に遭っているヤツがいるかもしれない。そう思ってレイは調べてみることにした。
「コンピュータ、検索してくれ」
「キーワードは “パッケージ”、”貞操帯”、”チンポ”、”時空転送”、あと “寸止め” も」
『了解しました。検索中…』
今どきのコンピュータは便利になった。キーボードなど打ち込まなくても全て会話で処理してくれる。
『検索キーワードにほぼマッチする対象が3件見つかりました』
「よし、その3件の内容を1つにまとめてスクリーンに出してくれ」
スクリーンを見ると、なるほど同じ目に遭ってるヤツらがいる。みんな俺と同じ若い男だ。
しかもまとめられたレポートはかなり長い。
3人ともこの貞操帯について相当調べたって事だ。
解決策が見つかるかもしれない、少し期待して読み進んだレイだったが次第にその表情は険しくなっていった。
「そんな、、、」
レイはこれから自分の身に起こることを知って床に崩れるように膝をついた。
この貞操帯を外すことはできない。
この貞操帯は革ではなくベリリウム合金だか何だかの超硬度ファイバーで作られているらしく、破壊不可能などころか、切ったり削ったりしようとすれば強い毒性を示すらしい。
一人それで皮膚に酷い炎症を負ってる。
時空転送も転送エネルギーは全てあちら側から供給されていて止められない。
レイは食い入るようにスクリーンを見る。
目覚ましの珈琲はとっくに冷めてしまっている。
「そんな、毎日って」
レイは寸止めについての記述を見つけて愕然とした。
恐れていた寸止めは毎晩8時に必ず実行される。
「あの寸止めを今日も、、、」
すぐさまレイの頭の中が昨日の寸止めの記憶で満たされる。
あの耐えられない快楽。
精液が尿道を伝って亀頭の先まで来ているのに出せない地獄。
あれがこれから毎日続くのだ。
レイは天井を見上げた。
正直あの寸止めに耐えられる自信がない。
そして最後に、レイにとって最もショックな事実がスクリーンに映し出されていた。
なんと尿道には特殊な栓が膀胱まで差し込まれていて、夢精も含めて一滴も精液を漏らせないと言うのだ。
朝からチンポの中がムズかゆい理由はこれだったのだ!
さらにこの極太の栓からは秘薬が分泌され、ペニスの内部から強制的に発情させられる。
3人とも何とか射精しようとあらゆる手を尽くしたようだが、射精は完璧にコントロールされていてどうやっても絶頂に至ることはできない。
絶頂に達する瞬間に必ず射精を鎮静する反勃起パルスがペニスと金玉全体に連続して打ち込まれ、快楽を一瞬にして消されてしまうのだ。
完璧な射精管理がそこにあった。
絶望に打ちのめされながら、レイは8時になるのを待つしかなかったのである。
続く… (続編希望の方はコメントください)
写真:gathery.recruit-lifestyle.co.jp, www.jccs-cheetah.org/, nlab.itmedia.co.jp, Pornhub.com
コメント
面白いです。是非続編をお願いします!
こんな寸止めされてみたいわ~ 続編期待してますっ!
続き読みたいです!!
これが現実になったら最高ですね!