22XX年12月。
今日はクリスマスイブだ。まったく23世紀になっても人類はしっかりとクリスマスを祝ってる。
未だに人類は資本主義以上に優れた社会システムを見つけていないってことだ。
「しっかしイブだってのに一緒に過ごしてくれるヤツもいね~な」
5日分の精子がたっぷり溜まった股間を撫でながらレイはスペースコロニーに戻った。エントランスには自分宛にパッケージが1つ届いてる。
「今どきパッケージかよ。時空転送で送れっての」
やや嘲笑気味に笑いながらも、レイはその古風な荷物を嬉しそうに持って部屋に入った。
「どうせ親が何か送ってきたんだろ」
スペースジム帰りの体をソファーに投げ出し、飲み物を片手に早速パッケージを開けてみる。
少し固めの箱だったが、日頃から体を鍛えてるレイの太い腕にかかれば簡単に開いてしまう。
中から出てきたのは “Merry X’mas” のメッセージカードと、20世紀を思わせるこれまた古風な革製のパンツだった。
「ははっ、何だよこれ!」
大爆笑しながら、もの珍しそうにパンツを掲げる。
パンツは股間の部分が丸くくり抜かれていてシルバーの合金っぽいリングがはめ込まれている。
肛門の位置にも穴が開いていて、やはりシルバーの合金リングがはめ込まれている。
パンツを締めるウェスト部分も合金の留め具が付いているようだ。
「これを履けって?」
笑いながらパンツを股間にあてがってみる。
パッケージの差出人は書いていない。メッセージカードの文字も見覚えがない筆跡だ。
どうも親からではないらしい。
最近、前時代的なレトロなファッションも流行ってるし、友達か誰かがふざけて送ってきたんだろうな。
そう考えると次第に面白くなってきたので少し履いてみることにした。
下着を脱ぐとレイの大きなイチモツが頭を持ち上げる。
長さ18cmの自慢のペニスだ。
「入るかな?」
そう言いながら早速ペニスを穴に通す。
少し窮屈だったが無事ペニスと金玉を通すことができた。
根元の適度な締め付けが心地よい。
左右の留め金をセットして装着完了だ。
「意外と似合ってるんじゃね?」
そう自嘲しながら鏡の前に立ったその時だった。
留め金とペニスのリングがブルーに光り出し、熱と共に強さを増していく。
その光はたちまちにしてレイのペニスへと伝搬していき、その光に触れた部分がまるでモザイクがかかったかのように姿を変えて消えていく。
「これは! 時空転送!?」
そう気付いたときにはレイのペニスは完全に消えていた。
「急いで外さないと!」
そう思って留め金に手をやったが、留め金の部分も転送されていてもはや存在しない。
「革を切るか!?」
いや、時空転送の最中に対象を動かすのは危険だ。
最悪、亜空間に飛ばされて二度と戻ってこないかもしれない。
自宅の時空転送装置の取説にもそう書いてあったのを思い出し、レイは思い留まった。
自慢のペニスがあった位置を手で探るが、そこにはもはや何もない。
「俺のチンポ、どこいっちまったんだ?」
写真:Amazon